国際基準にもなったハラスメントの定義とは?対策と適切な部下の指導方法

働く場での暴力やハラスメント(嫌がらせ)を撤廃するための条約が2019年6月21日にスイス・ジュネーブで開かれた国際労働機関(ILO)の年次総会で採択されました。仕事の上でのセクハラ・パワハラを禁じる初めての国際基準となります。この条約では、仕事での暴力とハラスメントを「身体的、心理的、性的、経済的被害を引き起こす、または引き起こしかねない、様々な受け入れがたい振る舞いや慣行」と定義しています。性別を理由とした暴力やハラスメントなどを含み、職場だけでなく出張中や通勤中の行為、SNSなどによるやりとりも対象になる模様です。加盟国には暴力・ハラスメントを禁止し、会社側の使用者に防止措置を求める法整備や被害者の保護・救済を義務づける模様です。加盟国である日本も、今後は条約の基準を満たす国内法の整備に移ると推測されます。

もくじ
1. セクハラの定義
2. セクハラの事例
3. セクハラの対策
4. パワハラの定義
5. パワハラの事例
6. パワハラの対策
7. ハラスメントにならない適切な部下の指導方法
8. すぬつくの経験
9. まとめ

セクハラの定義

「セクハラ」の定義を確認しましょう。「セクハラ」とは「セクシャルハラスメント」を略した言葉で、職場に於いて労働者の「意に反する性的行動や言動」が対象となります。具体的には、被害者が不快に思う様な性的行動や言動が行われ、その結果、職場環境が悪化したりすることを「セクハラ」と定義しています。更に注意するべき点は、「セクハラ」を防止する法規制は、男女雇用機会均等法とそれに基づく厚生労働省告示に基づいています。何の事か分かりませんよね。要は法律で事業主(会社)は職場内で「セクハラ」を防止する為の様々な施策をしなければならないと定めているのです。その為、事業主(会社)は社内で「セクハラ」が行われた場合、責任を追及される事もあります。よって、殆どの会社では「会社規定」の中に「セクハラ」防止を掲げ、違反した場合、懲戒解雇等厳しい処置を取る場合があります。この様な状況でも、まだまだ「セクハラ」をする方々が居る様ですね。自分の基準でこれ位は大丈夫と考えている人が多いのかもしれません。非常に危ういですね。最悪の結果になる前に、事例を通して確認して行きましょう。*セクハラは男性→女性のみのパターンではありません。同性→同性、女性→男性のパターンもありますので注意して下さい。

セクハラの事例

接触でのセクハラ

先ず簡単な事例からです。抱きつき、キス、スカートをたくし上げるなどの行為は、ほぼ誰でもNGって直ぐに分かりますよね。気持ちは分かりますが、ダメです。では、「頑張れよ」って肩を叩いたり、尻を叩く事や髪を触るなどはどうでしょうか。自分はスキンシップの一環と考えていても相手からすると不快に思う場合があります。この場合もNGです。止めましょう。

対価型のセクハラ

次に紹介するのは、「対価型のセクハラ」です。これは、立場(階級の上下関係、自身の権限)を背景に、性的な言動や行為を行い(強要し)、拒否出来なくする事です。ここで言う「背景」とは、降格・解雇、減給や更新拒否などの不利益をちらつかせる事です。例えば愛人関係にならないと解雇しちゃうよ。とか、付き合ってくれないと取引終了するよ。等が該当します。この種の「セクハラ」は一番卑劣です。パワハラに性的嫌がらせを上乗せした状態です。絶対にやっていはいけません。

環境型のセクハラ

これは、気を付けなければなりません。知らず知らずのうちにやってしまっている可能性があります。具体例を羅列するんで、あれ?これって何時もやっちゃっているよ。と言う人は要注意ですね。

  • 他人の容姿や恋人関係などに関する噂話をする事。
  • 性的な冗談を言ったり、恋愛経験や貞操について執拗に尋ねる事。
  • 職場や学校でヌードカレンダー、水着ポスター、ポルノ雑誌など、人によっては不快感を起こすものの掲示や陳列をする事。パソコンの壁紙も該当しますので注意です。
  • バストや性器のサイズなどについて聞いたり、猥談への参加を強要したり、勧めたりする事。
  • 飲み会での酌の要求や性的魅力をアピールするような服装やふるまいを要求する事。

セクハラの対策

「対価型のセクハラ」以外は、する側もされる側も「業務の遂行に無関係な性的な行為や言動で相手が不快感を覚えた場合」が「セクハラ」としての基準なので、これを基準に判断して行けば、分かり易くなると思います。もしそれに該当する状況になった場合は、互いに「それってセクハラなるかも。」って注意しあう事で防止出来、より良い職場環境にしていけると思います。しかし、「対価型のセクハラ」は別問題でとても重要且つ緊急性が高い問題です。これは、被害者の健康状態に非常に大きな影響を及ぼし加害者自身は勿論、会社の存続に於いてもダメージがあります。その為、「対価型のセクハラ」に於いては「噂」レベルでも、また「第三者」であっても部門長や人事部へのエスカレーションする事が必要です。早い段階でのエスカレーションにより被害者や会社自体を救う事に繋がるからです。「セクハラ」だけでなく「パワハラ」も含め、職場内での「ハラスメント」を互いに牽制し監視する事で絶滅させる事が出来、誰もが快適で安全安心な職場環境にする事が出来ると思います。

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パワハラの定義

「パワハラ」の定義を確認しましょう。「パワハラ」とは「パワーハラスメント」を略した言葉で、「職場内の優位性を背景に適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」です。「職場内の優位性」っていうのは、例えば、上司部下の関係、即ち指揮命令が出来る事が該当します。また、上司部下の関係でなくても、専門知識の有り無しで優位性は変わりますし、取引先との関係にも優位性があります。また、「適正な範囲」って処は業務上必要な指示、命令についての事です。

パワハラの事例

暴力的な事、言葉によるパワハラ

先ず、暴力的な事(直接的な攻撃)の事ですが、具体的には、怒りながら周りの机や椅子を蹴っ飛ばす様な行為です。今では滅多に見る事が無くなってしまった行為です。此処でのポイントは、指導している中で、間違った返答をしたりすると、違うだろ!と言いつつ机を蹴る、椅子を蹴る。なーんて事が該当します。ちなみに、直接暴力を振るわれた場合は、パワハラでは無く、傷害となるので割愛しますね。また、言葉によるパワハラの事例は、脅迫、侮辱、暴言を吐く事になります。例えば、間違った回答をした時に、個人的な内容で侮辱されたり、次間違ったらコロスぞ!なんて言われたりする事ですね。これは立派なパワハラとなります。

状況を作る事によるパワハラ

状況を作る事によるパワハラの事例は、該当者を隔離したり、仲間外れ、無視したりする事です。つまり職場内の人間関係からの切り離しを故意に行う事です。職場内のイジメも立派なパワハラになります。特に女性の多い職場では、まだまだ顕在化していないだけで沢山闇があります。

過大、過小な要求によるパワハラ

これは、どうやっても達成不可能なノルマを設定したり、明らかに能力に対して過小な仕事を設定する事です。具体例として、月平均で4件契約を取っていた営業マンに対して、一週間で20件の契約を取ってこい!無理なら辞めろ!なんて場合や、先月まで大きなプロジェクトを任されていたメンバーに今月からコピーのみ取る仕事に変更したりする事です。

パワハラの対策

今回紹介したパターン別の事例は完全にアウト(パワハラ)な事例です。普段の職場の中では判断に迷うモノがあると思います。基本的には、受け側がパワハラと認識するのが第一ステップとなります。その為、解決策としては、パワハラと感じた時に、一言「これってパワハラ行為ですよね。」と確認してみてあげてください。恐らく大概の人は黙ります。ここでグタグタ言う場合は、パワハラをした人の末路について、「場合によっては、懲戒解雇って事もあるみたいですよ。」とか「意見が合わないみたいなので、先ほどの言動を撮ってあるので第三者の意見を聞きましょう」と言ってあげると更に効果的です。これでもダメな場合は会社の人事部に相談してみて下さい。放置して状況が悪化し自身の健康に悪影響があってからでは遅いです。心身の健康を取り戻し、失った自信や自尊心を回復するには時間が掛かるものです。

ハラスメントにならない適切な部下の指導方法

今の風潮から上司達も「ハラスメント」と訴えられるのを嫌がり、言葉を選びつつ慎重に慎重に部下に接している事だと思います。更には、「ハラスメント」を意識し過ぎて部下への指導が疎かになっている方も多い事でしょう。その様な状況では、組織力は低下し自身の管理監督者としての評価も下がります。そこで、「ハラスメントにならない適切な部下の指導方法」について紹介します。

部下や後輩への指導の仕方で組織力は大きく変わる

部下や後輩を指導する時は絶好の「OJT」の機会なのです。このOJTの機会を生かすも殺すも管理監督者次第と言う事になります。良くないサイクルの事例として、部下や後輩がミスをしたとします。ここで、部下や後輩自体を(人)を責める→人間関係が悪くなる→相談出来なくなる・エスカレーションが無くなる→ミスが多くなる・報告された時には既に手遅れ→組織力低下→貴方の評価↓と言った悪循環に陥ります。逆に、直ぐに報告・相談が出来る環境が整っていればミスに対しては先手を打つ事が出来、手遅れになる前に対処が可能となります。また、部下や後輩の育成も容易となり人が育ち、組織力アップにも繋がります。

部下から報告・相談を受けた時の最適な対応方法

先ず、目的(goal)は何か?を再確認しましょう。この時、いきなり自分から「目的(goal)」を教えるのでは無く、部下や後輩に聞いてみましょう。これってスゴク重要なのです。目的(goal)が分かっていないのに、やるべき内容やその手段を論じても意味がありません。手段だけを教えて部下や後輩にその作業をやって貰っても、その部下や後輩にとっては単なる「作業」となり、育成には繋がりませんし、本人達はやらされ感が溜まるでしょう。

部下のミスを指導する時の最適な対応方法

部下や後輩が「ミス」をしてしまった時、どう指導すればよいかです。先ず第一に「その本人達を対象に叱る」と言う事と「全否定」する事は止めましょう。叱る対象については、ミスをした「人」では無く、ミス自体の「事象」を対象に何故その様になってしまったかを責めていきましょう。また、ミスはしてしまったが途中までは正しい流れであった場合は、その途中までの成果を認めてあげましょう。最後に、この様な流れになるとミスに繋がる事を経験出来たと前向きに捉える様、指導する事が大切です。

すぬつくの経験

すぬつくの場合、指導の大切さは十分に認識しています。しかし、余裕が無い時は対応が雑になってしまいがちです。実は、そういう状況(態度)って部下の人達ってスゴクよく見ていますよね。数年前に、部下がミスって報告が遅れた事がありました。それが発覚した時に、なんでもっと早く言ってくれなかったのかを聞いた処、なんと、昨日はすぬつくの機嫌が悪そうだったので、言えなかったと答えました。その時、凄くショックで情けない気持ちになりました。それ以来、部下や後輩に対してより丁寧に接する様気を付けています。

まとめ

仕事の上でのセクハラ・パワハラを禁じる初めての国際基準が制定され、ますます「ハラスメント」に対して厳しい目で対応する環境が整いつつあります。非常に良い状況になりつつあります。管理職・管理監督者は「知らなかった」「そんなつもりじゃなかった」では済まされない状況です。自身の言動・行動を一度再確認してみては如何でしょうか。また、 職場の人間関係が良好な場合には「ハラスメント」は、蔓延しないのが通例です。職場の中で、 直ぐに報告・相談出来る環境(心理的安全性の確保)を作る事が管理職・管理監督者に求められている事です。この様な環境を設定し、個々の報告・相談に対して真摯に受け止めて対応を重ねる事で職場内の人間関係が上手くいき、その結果組織力向上・ハラスメントの防止に繋がります。

すぬつく: 職場の人間関係・ストレスに関する悩みをすっきり解決するお手伝いをします。お気軽に問合せして下さいね。